二度目のman-hole 2002/11/02
レポートを書く前に、うちの会社の人からもらった手記[?]をここに書きます。
ちなみに、公開OKをもらっています。

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1996年11月17日 劇団OOPARTSの舞台「マンホール」を見に行く。
何回も解散とか、消滅とか起こしていると有名だったOOPARTSの舞台が復活するということで、
気分的に行かなくてはいけないと重い、やっとの思いでチケットを取得し、「マンホール」を見に。
はじめて行った舞台は、フリースペースでの公演で、会場内がとても狭くて、ステージと客席すばらしいくらい至近距離。
遠いかなと思っていたのに、近くでびびったことが一番最初に思い出すなあ、と。

舞台のストーリーとしては、ある3人の男のところへ、
「貴方は今の自分に満足していますか。もしも、今の自分を変えることが出来るとしたなら。
 そう考えたことはありませんか?そんなあなたの夢をかなえましょう。
 今を変えることは簡単です。
 あなたの過去を消してしまえば、あなたの今は思うがまま。まずはご連絡を。」
という手紙が届くんですね。

3人が3人とも、辛くて苦しい過去を持っていた。
・事件の際、誤って人質の女性を死なせてしまった元警察官。
・家族旅行に出かける際に、自分の子供を車で轢き殺してしまったお父さん。
・新薬開発の研究中に記憶喪失になってしまった元精神科医。
それぞれの過去と運命が密接に絡み合って、話は意外な方向へ展開していく...

自分の中で印象に残ってしまったシーンというのが、たしか病院が舞台になるシーンで、精神科医が患者に新薬を投与し、人体実験をすることに対して疑問を持ち、悩み苦しんだあげくに自殺をしてしまうというところなのですが、精神科医の目が本当に狂気を孕んだような目をしていて、芝居というのはわかってるんだけど、けど怖かった。
怖いから印象に残ってるというのではいけないと思うが、怖かった。
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実はこの手記を10月下旬にメールで手記がまわってきて、
「昔、こんなことをかいていたから、面白くてメールした」って内容で。
正直、舞台となったman-holeを知らない私には、言葉にならないくらいびっくりする内容でした。
しかも、その手記の下にさらっとこんなことを書いてました。
「精神科医は、新薬の開発中にたしか、服に引火して、そのままやけどするんだよなー。
 それでも演技しつづける鈴井さんってどう思う?」
という内容で。どう思うってもでないんですよ。わからないから。


ま、前章はこんな感じで、そんなことを聞いてman-holeを見に行きました。

寒い中、タイヤ交換して、色々かたづけて行って、5時間くらい運転して、
ついたぜ秋田。雪だのなんだの降りまくり。寒いったらありゃしない。
12時20分の部の整理券がとれて、とりあえずぼーっとして、入場。
12時10分くらいから監督と大泉さんのトークショーがスタート。
・・・・・・・・・・・・監督、素敵です。うつむいてはにかんでいるお姿も素敵です。
映画の話になると輝く監督も素敵です。
インキーネタを大泉さんに言われて、バツ悪くなってらっしゃった監督もかわいらしいです。
大泉さん、かわいいです、あまり記憶ないけど。トナカイの模様のフリースはどこからゲットしたのかだけ
疑問でしたが[笑]

そんなこんなで夢のようなひとときも終わり、映画へ。
2回目の映画、みつめてました。

伊達で見たときと雰囲気が違いましたね。
笑うところもちがうんです。びっくりです。
そんな理由もあるんだろうけど、泣いてる人もいなかったくらいで。
しいて言えば、泣いてるお姉さんが1人。[最初、整理券とるときに色々と伺い、すごくお世話になりました。]

今回思ったことは「みんながみんな、この映画をいいと言ってくれなくてもいいかな、私は好きだけど。」
ということくらいですかね。
・希が「夢のマンホール」を一緒に探しにいくことを小林に頼むのは,
 小林と自分との接点が全くないはずなのに、そんな自分のことを心に留めてくれたから、
 バカげたお話だと思っても頼めたのではないのかなと。
・何故、「man-hole」というタイトルなのか。
 man→マン[人、男でなくてもいいんだけど] - hole→穴[誰かと誰かをつないでいる心の穴]を
 つなげているかのではないかなぁと思うのです。
 見ていて心地のよいお話[その世界・現実ではないもの]なら、何でもいいのではないかと。

誰もがみんな、この話に共感できるとは思ってません。
man-holeに対しての意見はさまざまであると思います。
けど、私がこの数年間で思っていたこと、感じていたことということを
監督は出してくれたかなと思います。
私の引き出しをちょっぴりあけて楽にしてくれたときづいたかなと思います。
だから私はman-holeに共感できる。何回も見たい、リピーターな環境がほしいかなと。

そういえば、ずーっと前のman-holeの掲示板で監督がこのようなことを書かれていました。

 映画『マンホール』その原形となった演劇『マンホール』がそんな『汚れ』を持った人間達が、その下水道で殺りくを繰り返し、死んでしまうという悲惨な物語だった。『浄化』出来ずに死んで行く。

 現実としてのマンホールは、決して夢のある場所では無い。希望とは掛け離れた場所。しかし、映画では、そこに敢えて『希望』という言葉を当てはめてみた。それは、現代社会がまさにそのマンホールに思えたから。

 希望なき時代に希望を、、、、繋がったでしょう?


この言葉を見た瞬間、涙がとまりませんでした。
何かにつっかえてたことがほろっととれました。
鈴井監督がおっしゃりたかったことがちょっとだけ、ヒントが出たなぁと。
そう思えたから、何回もまた見たいと思ったきっかけだったんです。
私が青森でman-holeを見たいと思ったきっかけの1つなんです。


ということでお開きに[笑]
もう、語りきってもしかたないんです。息切れしちゃいます[笑]
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